case 39

【エネルギー産業】次世代高圧ガス容器CubiTan®(キュビタン)

高圧ガス容器を、運ぶ・積む・管理するためのキューブへ

株式会社Atomis様が構想する次世代高圧ガス容器「CubiTan®(キュビタン)」について、外観デザイン、筐体設計、筐体製作を担当しました。

従来の円筒形ガスボンベが抱える重量、運搬、保管、在庫・配送管理の課題に対し、立方体をモチーフとした親しみやすい外観を提案。持ちやすさと積み重ねやすさ、左右対称構造による部品共通化を、約300×300×350mmの筐体へまとめました。

インドネシアの講演会でCubiTanの横に立つ北川進特別教授
2026年2月・インドネシア。写真:CubiTan®公式サイト
クライアント
株式会社Atomis様
対象
次世代高圧ガス容器 CubiTan®
担当範囲
デザイン・筐体設計・筐体製作
試作仕様
約300×300×350mm/6部品
#高圧ガス容器
#IoT機器
#プロダクトデザイン
#筐体設計
#筐体試作

GOOD DESIGN AWARD 2026

CubiTan®が2026年度グッドデザイン賞を受賞

次世代高圧ガス容器「CubiTan®」が、2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。

グッドデザイン賞の公式審査総評では、従来の円筒形ボンベとは異なり、球状の圧力容器を運搬・保管しやすい直方体状の筐体に収めた構成と、IoTによる残量・位置確認機能を組み合わせ、次世代のガス流通インフラを提案している点が紹介されています。

クロスエフェクトは、CubiTan®の外観デザイン、筐体設計、筐体製作を担当しました。機能と運用方法を外観へ落とし込み、持ちやすさ、積み重ねやすさ、部品共通化を備えたキューブ型筐体の具体化を支援しています。

受賞年度
2026年度
受賞番号
26G080553

グッドデザイン賞公式ページを見る

依頼の背景|高圧ガス供給の取り扱いと管理を見直す

従来の高圧ガスボンベには、重量があり運搬に労力を要すること、円筒形で保管スペースを使うこと、在庫や配送の管理が煩雑になりやすいことなど、現場運用に関わる複数の課題がありました。

ガス業界では、ディーラーの高齢化や人手不足も進み、容器の取り扱いや供給管理をより安全かつ効率的にする仕組みが求められていました。そこで、軽量・コンパクトな容器とIoTによる管理機能を組み合わせた、新しいガス供給のあり方が構想されました。

デザインの結論

従来のガスボンベらしさを踏襲するのではなく、運搬・保管・管理までを一体で考えた「キューブ型の道具」として外観を設計。近未来的でありながら、現場で扱う人が身構えない親しみやすさを目指しました。

約300×300
×350mm
筐体組立時の製品サイズ
6部品左右対称と共通化を意識した構成
2種類PPライク・ABSライクの試作材料
3工程デザイン・筐体設計・筐体製作

CubiTan®の開発時の製品構想

CubiTan®は、鋼製の高圧ガスボンベに代わる、カーボン製FRP容器を用いた軽量・小型のガス容器として構想されました。開発時には約30cm角、重量10kg未満を目標とし、内部に多孔性配位高分子(PCP/MOF)を搭載してガスを効率よく吸着・貯蔵する考え方が示されていました。

また、GPS、圧力センサー、Wi-Fi通信によって残量や漏洩を遠隔監視し、研究所、病院、工場などで使用する12種類の産業ガスを想定。容器単体の改善にとどまらず、保管、配送、残量管理までを含めたガス供給の最適化を目指す構想です。

軽量・小型化

カーボン製FRP容器とPCP/MOFによる貯蔵技術を組み合わせ、取り扱いの負担と設置スペースの低減を目指します。

遠隔モニタリング

センサーと通信機能を活用し、残量や容器の状態を遠隔で把握できる運用が構想されました。

供給管理の最適化

容器の位置や状態を把握することで、在庫管理と配送業務を効率化する仕組みを想定しています。

クロスエフェクトの担当範囲|デザインから筐体試作まで

開発構想を展示・検討できる具体的な形へ落とし込むため、外観デザイン、筐体設計、筐体製作を一貫して担当しました。外観の印象だけでなく、内部容器との位置関係、持ち手、積み重ね、部品構成を確認しながら、組み立て可能な筐体へ展開しています。

対象
次世代高圧ガス容器 CubiTan®の外装筐体
担当範囲
デザイン・筐体設計・筐体製作
試作材料
PPライク・ABSライク
製品サイズ
約300×300×350mm(組立時)
部品点数
6部品
デザイン要件
持ちやすさ・積載性・左右対称構造・部品共通化

デザインのポイント|キューブ・取っ手・部品共通化

POINT 01

立方体をモチーフにした外観

製品名にもつながるキューブ形状を基調とし、親しみやすさ、スマートさ、近未来感を一つの外観へまとめました。

POINT 02

四隅の取っ手と積み重ねやすさ

四隅に手を掛けられる形状を設け、持ち上げる方向を限定しにくい構成にしました。同時に、安定して積み重ねるための外形を検討しています。

POINT 03

左右対称構造による部品共通化

対称形状を活かして共通部品を増やし、部品種類と製作負担を抑えながら、6部品で筐体を構成しました。

外観意匠を組み立てられる筐体へ展開

高圧ガス容器を覆う外装は、製品の印象をつくるだけでなく、容器やバルブの周囲を避け、持ち運びに使う開口部を確保し、複数部品を組み合わせられる形状にする必要があります。本案件では、デザイン形状を筐体部品へ分割し、試作材料で製作できるデータへ具体化しました。

内部機器との取り合い

ガス容器とバルブ周辺の空間を確保しながら、外装として一体感のあるキューブ形状へまとめました。

運搬時の把持

四隅の取っ手を外観の特徴として見せながら、複数方向から手を掛けやすい開口形状を検討しました。

組立と部品構成

左右対称の面構成を活かして部品を共通化し、外観と筐体構造を両立する6部品へ整理しました。

開発支援の流れ

製品構想と使用場面を整理したうえで、キューブ形状のデザインを筐体構造へ展開し、部品ごとに試作しました。デザインと設計、製作を分断せずに進めることで、外観意図を保ったまま立体物へ具体化しています。

  1. 製品構想と要件整理
  2. 外観コンセプト提案
  3. 形状・部品構成の検討
  4. 筐体設計データ作成
  5. 筐体部品の試作

提案の成果|次世代ガス容器の構想を立体化

軽量・小型化とIoT管理を目指す製品構想に対し、キューブ型の外観、四隅の取っ手、積み重ねやすい外形、左右対称の部品構成を提案。約300×300×350mm、6部品の筐体として設計・製作し、次世代ガス容器の姿を具体的に確認できる試作品へ落とし込みました。

エネルギー・IoT機器に筐体デザインが必要な理由

技術性の高い機器ほど、内部機能だけでは利用価値が伝わりにくくなります。どこを持つのか、どう置くのか、複数台をどう保管するのか、状態をどのように確認するのかまで外観と構造で示すことで、技術を現場で扱える製品へ近づけられます。

使い方を形で伝える

取っ手や積載形状を外観に組み込み、運搬と保管の方法を直感的に理解しやすくします。

新しい技術を身近にする

先進技術を威圧的に見せず、現場へ導入しやすい親しみと信頼感のある外観へ整えます。

試作で構造を確かめる

画面上のデザインを立体化し、サイズ感、把持、積載、部品の分割を実物で確認できる状態にします。

高圧ガス容器・IoT機器のデザインFAQ

CubiTan®とはどのような製品ですか?
株式会社Atomis様が構想する、軽量・小型化とIoTによる管理を組み合わせた次世代高圧ガス容器です。立方体をモチーフとし、運搬、積載、保管、残量管理を含むガス供給の効率化を目指しています。
クロスエフェクトはどこまで担当しましたか?
CubiTan®の外観デザイン、筐体設計、筐体製作を担当しました。Atomis様の製品・技術構想を基に、組み立て可能な外装筐体へ具体化しています。
試作した筐体のサイズ・材料・部品点数は?
組立時のサイズは約300×300×350mmです。PPライクとABSライクの材料を用い、6部品で構成しました。
なぜ円筒形ではなくキューブ型なのですか?
持ち運びやすさと積み重ねやすさを高め、限られた保管スペースを有効に使うためです。立方体をモチーフにすることで、従来のガスボンベとは異なるスマートで親しみやすい外観も表現しています。
製品技術とクロスエフェクトの担当内容はどう分かれますか?
PCP/MOF、FRPガス容器、センサー、通信などはAtomis様の製品・技術構想です。クロスエフェクトは、その構想を外観デザインと筐体構造へ落とし込み、筐体試作まで支援しました。
IoT機器のデザインから筐体試作まで一括で依頼できますか?
ご相談いただけます。内部機器、センサー、通信部品、操作部、使用環境などの条件を確認し、外観デザイン、筐体設計、3Dプリンターなどによる試作まで、開発段階に応じて対応します。
CubiTan®はグッドデザイン賞を受賞していますか?
はい。CubiTan®は2026年度グッドデザイン賞を受賞しています。受賞番号は26G080553です。クロスエフェクトは、外観デザイン、筐体設計、筐体製作を担当しました。

案件情報・外部情報確認日:2026年10月17日

エネルギー・IoT機器のデザインと筐体試作をご相談ください

技術構想や内部機器の条件を整理し、製品コンセプト、外観デザイン、筐体設計、試作まで一貫して具体化します。

デザイン・筐体試作について問い合わせる