真空注型とは?

真空注型は、光造形や切削加工などで製作した原型(マスターモデル)からシリコーン型を作り、樹脂製品を複製する工法です。真空状態の槽の中で、型に注型用ウレタン系樹脂を流し込みます。
真空注型では、真空槽の中で真空状態を作り出し、型に樹脂を流し込むため、型の隅々まで樹脂が行き渡り、気泡ができにくいのが特徴です。非常に短納期で、コストをかけずに高精度の樹脂製品を製作することができます。

  • 二色・インサート注型

  • アンダーカット形状にも対応

  • 樹脂バリエーション、色に対応

  • 光沢・マット仕上げ・シボ処理

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真空注型の特徴

  • 射出成形用の金型作成に比べて、時間は数分の一、費用は数十分の一が目安です。案件によっては切削加工などとも比較して検討します。
  • 幅広い樹脂材料の中から、用途に適した材料を選択できます。
  • シリコーン型は20回程度までなら繰り返し使用可能。多数個生産にも対応。
  • 金属部品を樹脂と一体化するインサート注型や、異なる樹脂を一体化する二色注型にも対応できます。
  • 金型と違いシリコーン型の為、多少のアンダー形状も無理抜きが可能。
  • マスターモデルに表面処理を施すことで、シボや光沢など、さまざまな仕上がりに対応できます。

工法別 比較(試作・評価用途)

比較項目 3Dプリンター 切削加工 真空注型 射出成形(金型)
主な用途 形状・構造確認 機能・強度検証 実製品相当の試作・評価 量産
材質の自由度 ○ ◎(実材使用可) ○ ◎
外観品質 △ ○ ◎ ◎
寸法精度 △ ◎ ○ ◎
強度・剛性 △ ◎ ○ ◎
初期費用 ◎ △ ○ ×
納期 ◎(最短1日~) ○ ○(最短3日~) ×
小ロット生産 ○ △ ◎ ×
向いている数量 1~数点 1~数点 数点~数十点 数百点以上
  • 仕様・材料・形状により適用範囲は異なります。真空注型の「最短3日~」は、ご注文内容・製作データを確認したうえでの正式受注後、当社休業日を除く3営業日での発送を指します。

使用用途

試作プロセス

  1. 01

    型作成①

    樹脂の流動性と仕上がりを考慮し、型を分割する位置(パーティングライン)と樹脂の注入口(ゲート)を決めます。

  2. 02

    型作成②

    マスターモデルの大きさに合わせ型枠を組み立てます。撹拌して真空脱泡したシリコーンを型枠に流し込み、温度管理された恒温槽で硬化させます。

  3. 03

    型割り

    硬化したシリコーン型を型枠から取り出し、パーティングラインに沿ってカットします。

  4. 04

    シリコーン型の完成

    マスターモデルを取り出すと、真空注型用シリコーン型の完成です。

  5. 05

    注型①

    真空槽にシリコーン型と樹脂をセットし、真空状態にしたのち主剤と硬化剤を攪拌(かくはん)した樹脂を流し込みます。

  6. 06

    注型②

    温度管理された恒温槽に型を移し樹脂を硬化させます。
    (樹脂によって約60分・120分)

  7. 07

    脱型

    樹脂が硬化したら、シリコーン型から製品を取り出します。

  8. 08

    仕上げ・完成

    取り出した製品のバリやゲート部分を仕上げ、完成させます。

樹脂材料一覧

用途や必要な物性に合わせて選べるよう、
幅広い樹脂材料を
ご用意しています。

品番 グレード 色 特徴
ハイキャスト3160 ABSライク ベージュ・黒・乳白 真空注型用に開発されたトータルバランスの良いポリウレタン樹脂。
折れにくく、汎用ABSにより近い物性
ハイキャスト3571 PPライク 白・黒 PE及びPPの試作を対象に開発された真空注型材料。曲げ弾性率が低く、また伸び率が大きいため、PE/PPの成型品に近い物性
ハイキャスト3754 アクリルライク 透明 無色透明タイプの真空注型材料。透明性に優れている
ハイキャスト3400 エラストマー
ライク
黒・乳白 真空注型用ウレタンエラストマー。20~90度までの硬度が選択出来る
PX234HT 耐熱 黄土色 高耐熱性に優れた真空注型用材料。なおかつ高耐衝撃性・高弾性に優れている
プリンゲル ゲル ベージュ 人間の肌に限りなく近いゲルを目指して開発された。
超低硬度であっても強度がある反発性がある反面、表面粘着性があるという欠点がある
  • 上記の内容は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。
  • その他の材料も取り揃えておりますので、お気軽にお問い合わせください。

参考価格例

以下は参考価格の一例です。
個別の製作条件に基づく価格は、お問い合わせください。

約128,000円

  • マスターモデル代(光造形)+ シリコーン型代 = 約100,000円
  • 注型品代(@約5,600円 × 5個)= 約28,000円
サイズ 150×150×75㎜程度を5個注文した場合
肉厚 t=2㎜程度
材質 ABSライク
表面処理 マット仕上げ

真空注型のお見積り・ご相談

用途や必要な数量に合わせて、材料・仕上げ・製作方法を検討します。ご相談の際は、分かる範囲で以下をお知らせください。

  • 用途・使用環境
  • 必要数量
  • 図面・3Dデータ、重要寸法、原型の有無
  • 希望する材質・硬さ・透明性
  • 色・表面処理
  • 希望納期

すべて決まっていなくても構いません。材料選びや真空注型が適しているかという段階から、ご相談ください。

特殊依頼について

真空注型では、小ロット生産の特殊依頼が可能です。

小ロット生産

真空注型の特徴

  • 年間1,000個以内の小ロット生産に適しています。対応数量の上限ではなく、形状・材料・費用に応じて検討します。
  • 金型レスによるイニシャルコスト削減
  • 金型の保管問題の解決
  • 生産垂直立ち上げを実現

お客様の声 Customer Testimonials

光造形では再現しきれない質感を確認したく、真空注型を依頼しました。外観・仕上がりともに実製品に近く、量産前の判断材料として非常に有効でした。

開発担当

(民生機器メーカー)

展示会用モデルとして真空注型を選びましたが、表面処理や塗装の仕上がりが良く、来場者からの反応も上々でした。

マーケティング担当

(プロダクト系スタートアップ)

切削加工と迷いましたが、数量とコストのバランスを考えて真空注型を提案してもらいました。結果的に必要な評価を十分に行うことができました。

開発担当

(産業機器メーカー)

新製品の市場投入にあたり、初期投資を抑えながら必要な数量だけ製作できる真空注型を選びました。量産金型を製作する前に、実際の販売を通じてユーザーの反応を確認でき、次回生産に向けた改善にもつなげることができました。

事業開発担当

(プロダクト系スタートアップ)

クラウドファンディングの支援者向け製品を製作するため、真空注型を活用しました。金型製作に比べて初期費用と納期を抑えられ、限られた予算の中でも早期に製品を市場へ届けることができました。

プロダクトマネージャー

(IoT系スタートアップ)

生涯生産台数が少ない製品だったため、真空注型による小ロット生産を選択しました。初期費用を抑えつつ、必要な数量を柔軟に製作できた点が良かったです。

製品企画担当

(FA・自動化機器メーカー)